北島、精神力で獲った金/世界競泳
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070822-00000024-nks-spo
完全じゃない体調で金メダルを取るなんて、並みの精神力じゃないですね。やっぱり凄いなー!
8月22日9時25分配信 日刊スポーツ
男子100メートル平泳ぎで優勝した北島(中央)は金メダルを手に笑顔
<世界競泳:男子100メートル平泳ぎ決勝>◇初日◇21日◇千葉県国際総合水泳場
男子100メートル平泳ぎで、左足内転筋肉離れを起こしていた北島康介(24=日本コカ・コーラ)が59秒74で優勝した。7月21日に負傷し約1カ月間、満足に練習もできない中、3月の世界選手権の59秒96を0秒22も上回る今季自己ベスト。しかも国内開催の大会では初めて1分を切るなど、強じんな精神力を見せつけた。
取りつかれた不安や弱気を打ち砕くかのように、北島は右の拳を水面にたたきつけた。そして水面に体を浮かべると、大きな息を吐いた。「はぁ~、良かった。結果が見えない中で不安だったけど、ホッとしました。(力を)出し切りました」。前日までの張り詰めた顔は消え、やり遂げた、穏やかな笑みが浮かんでいた。
レース直前、普段と違い笑っていた。「不安はマイナスにさせられるから」。あえて笑うことで、いいイメージだけを心に宿した。集中力を高め、違和感の残る蹴り足に力を込めた。ハンセン(米国)の今春世界選手権優勝タイム(59秒80)を上回り、国内で初めて1分を切った。「ケガしたことで何とかしてやろうと思った。ケガをしなかったら、こういう気持ちにはなれなかった」と静かにうなずいた。
不安だらけだった。7月21日。平泳ぎの練習中に「バチン」と音がした。左足内転筋肉離れ。「今までいろいろな経験をしたけど、太ももも水の中でのケガも初めてで…」。泳げない日が1週間続き、その後の練習でも、違和感が出ると怖くてプールから離れた。同期の細川大輔に「出たくない」と弱音を吐き、「しっかりやろうよ」と説得された。平井コーチは振り返る。「(大会)1週間前には棄権させなければならないかと考えた。でも、口にすれば北京も駄目になるのではと、言えなかった」。
そんな心を、周囲の懸命なサポートが変えていった。超音波療法やはり治療、ベッカムカプセル、マッサージに指圧-。あらゆる人が、24時間協力した。時には夜に部屋まで治療に駆けつけてくれた。「(出場を)あきらめかけた時期もあったけど、ケガは僕の責任だから」。春先から上半身を強化し、体も泳ぎも8割近く完成していたことも幸いした。「(これまでで)2本に入る危機を乗り越えた。これで、どんな状態でも結果を出せる自信がついた」と同コーチ。北島も「いい経験をさせてもらった。北京ではもう1回勝ちますよ」。王者はより、たくましくよみがえった。【今村健人】
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